人生が前に進んでいないという悩みが付き纏っている
最近ずっと1つの悩みにつきまとわれている。人生が前に進んでいる気がしないという悩みだ。
前に進んでいるという感覚が全くない。
気を紛らわせるために様々な言葉を紡いで、自分を偽ろうと試してみるものの上手くいかない。
一時的には解決した気になるが、結局また元の位置に戻ってきてしまう。
一体なぜこんなことを考えるようになったのだろう。
おそらく学生の頃であれば、数年で卒業というゴールがあったからだろう。
望む望まない関係なく、結局大半の人はそのゴールを切ることになっていた。
そして卒業という区切りが強制的に設けられている以上、強制的に次のステージに移ることができた。
大学生の頃はもうずっと大学生のままでいたいと思っていた。
何時に寝て、何時に起きても構わない。大きな責任も負わなく良い。
大学時代がめちゃくちゃ楽しかったというわけでもないが、そのぬるま湯のような生活に心地よさを覚えていたのは紛れもない事実だ。
そう思いながらも強制的に卒業させられた。
もちろん留年してずっと居座るという方法もあるだろうが、学費を払う余裕もそんなにはなかったので、卒業するほかなかった。
社会人になるのが目前に迫った3月の中旬、夜中の公園で、社会人になるのが怖すぎるあまりその当時付き合っていた彼女に泣き言を漏らしたのをよく覚えている。
社会人になったら今まで享受していた自由がなくなるような気がして、とにかくその現実から逃げ出したくて仕方なかった。
1日1日、時が過ぎていくのが怖かった。
それほど逃げ出したかった社会に参加して、もう数年が経った。
自分が恐れていたように厳しい経験もいくつかしたが、大学生の頃を思い出して懐かしむほどには、今では社会人に慣れてしまった。
1年目の、日々新しいものに触れ、緊張感を持ちながら過ごしていた日々はもうなくなってしまった。
それなりに仕事の仕方もわかってきて、多少のトラブルであれば気を動転させることもなく解決できるようになった。
それとともに日常に惰性という感覚がつきまとうようになってきた。
そしてその感覚は日に日に強くなっていく。
自分の人生が停滞しているような感覚になり、冒頭にも書いたように人生が前に進んでいないという悩みを持つようになった。
ひとまず仕事でしっかりとした実績をつくろうと思って、がむしゃらに働いた。
自分の中でも満足できる、もちろん評価としても立派な成績を収めることができた。
その時は満足感に包まれていて自分が成長した気になっていたが、その満足感も長続きはせず、結局スタート地点に戻った。
何人かの先輩に相談してはみたものの、腑に落ちる回答を得ることは出来なかった。
このエッセイを書けば頭の中が整理されて解決の糸口が見えてくるかと思ったがそうでもなかった。
誰か教えて欲しい。どうしたら人生が前に進んでいる気がするだろうか。
唯一の救いは、この悩みを抱えているということだ。
少なくとも人生をもっと前に進めたいと思っているということだろう。
いつになったらこの悩みを拭えるのだろうか。
解決するのが先だろうか、諦めをつけるのが先だろうか。